油絵画材の基礎知識
     
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  油絵画筆の知識

 油絵用の筆は豚毛に代表されます。油絵具は、独特の粘りがあり、絵具の塗り込みや盛り上げには弾力が強く、耐久性のある豚毛が良く使われます。
 制作課程によっては、溶き油などをまぜ、柔らかくした絵具を塗るための軟毛筆も必要です。軟毛筆は毛質によって弾力、使用感が異り、用途に応じて数種類の毛が使い分けられています。

油絵画筆の選び方

油彩筆

●硬毛筆(豚毛)
 最も多用する平筆には、フラット型とフィルバート型があります。フィルバート型は、先端を半円形に使い込んだ形にしてあり初心者には使いやすい筆です。初めは、12、10、8、6号を各二本くらい揃えると良いでしょう。
 丸筆は、とりあえずは必要ありません。

●軟毛筆
 イタチ毛(コリンスキー、セーブルなど)、馬毛など種類も多く、使いやすさや価格も違います。できれば良いもを揃えて大事に使いたい筆です。制作目的にもよりますが、最初は、8、4号のイタチ毛のものが各一本あれば良いでしょう。

油絵画筆の豆知識

●晒(さらし)の違い
 豚毛は、寒い中国重慶産のものが最良と言われ、この原毛を皮についたままり輸入して日本で晒し、精毛したものが日本晒といいます。絵具の含みが良く、細かい枝毛を残してキューティクルが痛んでないものが、しなやかで強い弾力の筆になります。このような原毛のものは、貴重品で高価です。
 中国晒は、中国で精毛された豚毛で、晒が強いため白っぽい毛で枝毛も少なく、キューティクルも痛んでいるようです。日本晒が入手難なため一般的に専門家用として使用されています。
 中国ボイルというのは、中国で長時間ボイルされて精毛された原毛で、黄土色をしています。天然の毛グセはなくなって枝毛も少なく、キューティクルもほとんど残っていません。安価で大量に出回っています。

●合成繊維(ナイロン)毛
 最近は、合成繊維(ナイロン)を特殊加工したリセーブル毛、ナイロン毛、ナイロンとイタチ毛の混毛なども出回っています。
 リセーブル毛は、天然毛のキューティクルのような効果をだすために凹凸をつけて絵具の含み不足をカバーしています。ナイロン毛は、特殊加工をしていないので 絵具の含みやコシのねばりにやや欠けます。
 リセーブル毛、ナイロン毛は耐久性、弾力、穂先のまとまりが良く、量産できるので価格も手ごろです。

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